異業種から目指すデータサイエンティスト:働きながら学習を続けるための時間管理とモチベーション維持術
異業種・異職種からデータサイエンティストへのキャリアチェンジを目指す皆さま、こんにちは。「キャリアチェンジtoデータサイエンティスト」編集部です。
現在の仕事を持ちながら、データサイエンスという新しい分野の学習に取り組むことは、簡単なことではありません。日々の業務に追われ、疲れて帰宅した後で、さらにプログラミングや数学・統計学の勉強時間を確保するのは、強い意志と計画が必要です。
「データサイエンスの学習を始めたいけど、時間がない」「勉強を始めたものの、なかなか続かない」「モチベーションが維持できない」――そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、働きながらデータサイエンティストを目指す方が、どのように学習時間を確保し、そして学習を継続していくためのモチベーションを維持していけば良いのか、具体的な方法と戦略について解説します。異業種での経験を持つあなただからこそ、これらの工夫はきっと役立つはずです。
働きながら学習時間を確保するための戦略
Step 1: 現状の時間の使い方を「見える化」する
まずは、ご自身の時間の使い方を客観的に把握することから始めましょう。1週間程度、簡単なタイムログをつけてみることをお勧めします。何時に起きて、何時に寝るのか。通勤時間はどのくらいか、仕事時間は?休憩時間は?帰宅後は何をしているか?テレビを見ている時間、スマートフォンを眺めている時間、食事や入浴の時間など、すべて記録してみましょう。
記録することで、「思ったより無駄な時間が多かった」「この時間なら少しだけ学習にあてられそうだ」といった気づきが得られます。時間の使い方を把握することが、改善の第一歩となります。
Step 2: 隙間時間を徹底的に活用する
まとまった学習時間を確保するのが難しい場合でも、「隙間時間」を活用することで、学習時間を積み上げることができます。
- 通勤時間: 電車やバスの中、徒歩での移動中に、座学(書籍を読む、動画講座を聞く、単語帳アプリを使うなど)を行うことができます。スマートフォンのアプリやダウンロードした動画講座は、オフラインでも学習可能です。
- 休憩時間: 昼休みの一部を使って、前日の復習をしたり、短い練習問題を解いたりするのも良いでしょう。
- 待ち時間: 打ち合わせの間の数分や、移動中の待ち時間など、予期せぬ隙間時間でも、フラッシュカードアプリや専門用語集をチェックするなど、軽い学習を進めることができます。
Step 3: 集中できる「学習ブロック」を意識的に作る
隙間時間活用も大切ですが、実践的なコーディングや演習には、ある程度まとまった時間が必要です。意識的に「学習ブロック」を作る工夫をしましょう。
- 朝活: 少し早く起きて、出勤前に1〜2時間集中して学習する時間を作る。通勤ラッシュを避けられるというメリットもあります。
- 夜活: 仕事から帰宅後、夕食やお風呂などを済ませた後に、1〜2時間学習時間を作る。ただし、疲れすぎている場合は無理せず、軽めの学習に留めるか、休息を優先することも重要です。
- 週末の活用: 土日どちらか一方、または両日の午前中など、数時間から半日程度のまとまった時間を学習に充てる。カフェや図書館など、自宅以外の環境を利用するのも集中力を高める上で有効です。
Step 4: 学習の優先順位をつけ、「捨てる勇気」を持つ
すべてを完璧にこなそうとすると、かえって続かなくなります。学習内容に優先順位をつけ、時には「今はここまでで良い」「これは後回しにしよう」と割り切る勇気も必要です。
例えば、プログラミングの練習に時間がかかりそうなら、その日は数学の概念理解に集中するなど、その日の時間やコンディションに合わせて学習内容を調整しましょう。また、すべての飲み会に参加したり、毎週趣味の予定を詰め込んだりするのではなく、学習時間を確保するために、一時的に一部の活動を制限することも考えましょう。
学習継続のためのモチベーション維持術
Step 1: 目標設定の工夫:小さく、具体的に
「データサイエンティストになる」という大きな目標だけでなく、そこに至るまでの小さな目標をたくさん設定しましょう。
- 「今週中にPythonの入門講座を〇章まで終わらせる」
- 「明日の朝活で、統計学のこの概念を理解する」
- 「今日中にこの練習問題を解けるようになる」
このような具体的で達成可能な小さな目標を設定し、クリアしていくことで、達成感を得やすくなります。目標設定には、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性(Relevant)、期限(Time-bound)の頭文字をとった「SMART原則」を参考にすると良いでしょう。
Step 2: 進捗を「記録」し「見える化」する
どれだけ学習を進めたかを記録し、「見える化」することで、モチベーションを維持しやすくなります。
- 学習時間の記録: カレンダーやアプリを使って、毎日どれだけ学習したかを記録します。グラフ化されるアプリなどを使うと、視覚的に進捗を確認できます。
- 達成リストの作成: 完了した講座、読了した書籍、解いた問題集などをリストアップしていく。リストが埋まっていくのを見ることで、「これだけ進んだ!」という実感を得られます。
- ポートフォリオ作成: 学んだ内容を具体的なプロジェクトとして形にするポートフォリオは、学習の成果を示すだけでなく、自身の成長を実感できる最良の方法です。
Step 3: 「仲間を作る」ことで孤独を防ぐ
一人での学習は孤独を感じやすく、挫折の原因となることがあります。同じ目標を持つ仲間を見つけることは、モチベーション維持に非常に効果的です。
- オンラインコミュニティ: SlackやDiscordなどでデータサイエンスを学習するコミュニティに参加する。質問したり、互いに励まし合ったりできます。
- 勉強会: オンライン・オフラインで開催されている勉強会に参加する。他の学習者と交流したり、知識を共有したりする機会が得られます。
- SNS: X(旧Twitter)などで学習進捗を発信したり、他の学習者の発信を参考にしたりする。ハッシュタグ「#今日の積み上げ」「#データサイエンス学習」などを活用するのも良いでしょう。
Step 4: アウトプットで理解を深め、発信する
インプットだけでなく、学んだことを「アウトプット」する時間を持ちましょう。
- 学んだことの解説: 誰かに説明するつもりで、学習内容をノートにまとめたり、ブログに書いたりする。これは理解度を深める上で非常に有効です。
- 簡単なデータ分析: 入門レベルでも良いので、自分でテーマを見つけ、データを収集・分析し、結果をまとめる。
- SNSやブログでの発信: 学びの過程や気づきを発信することで、自身の知識の定着を促し、また他の学習者との交流のきっかけにもなります。
アウトプットは、あなたの理解度を示す証となり、将来の転職活動におけるポートフォリオの礎ともなります。
Step 5: 休息をしっかりと取る
根詰めて学習しすぎると、燃え尽きてしまうリスクがあります。適切な休息は、学習効率を高め、継続を可能にするために不可欠です。
- 定期的な休憩: ポモドーロテクニック(25分学習+5分休憩など)のように、短い休憩を挟みながら学習する。
- 休日には休息やリフレッシュ: 週末にまとまった学習時間を確保するとしても、全く休息しないのは避ける。趣味の時間や家族との時間を大切にする日も設けましょう。
- 睡眠時間の確保: 十分な睡眠は、学習内容の定着にも、日中のパフォーマンスにも不可欠です。
Step 6: 失敗や停滞を受け入れる
学習が進まない日があっても、エラーが解決できずに何時間もかかっても、それは当たり前のことです。「自分には向いていないのではないか…」と悲観的になる必要はありません。
誰もが学習過程で壁にぶつかります。重要なのは、完全に立ち止まってしまわないことです。たとえ10分でも良いので、毎日少しずつでも学習に触れる習慣をつけること。そして、どうしても進まないときは、休息したり、簡単な復習に戻ったり、他の人の助けを借りたりすることを躊躇しないことです。
そして、なぜデータサイエンティストになりたいのか、キャリアチェンジを目指す理由を定期的に振り返ることも、モチベーションを維持する上で大きな支えとなります。
まとめ
働きながらデータサイエンティストを目指す道のりは、時間的な制約やモチベーションの維持といった点で、多くの困難を伴います。しかし、今回ご紹介したような時間管理の戦略やモチベーション維持の工夫を取り入れることで、着実に歩みを進めることが可能です。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、ご自身の状況に合わせて計画を立て、一歩ずつ着実に実行していくことです。隙間時間を活用し、学習ブロックを作り、小さな目標達成を積み重ね、仲間と支え合い、適切に休息を取りながら、学習を継続していきましょう。
異業種で培ってきたあなたのビジネス感覚やコミュニケーション能力は、データサイエンティストとして活躍する上で大きな強みとなります。学習という新たな挑戦を通じて、その強みをデータ分析の力でさらに拡張していく未来を、諦めずに目指していきましょう。
この情報が、皆さまのデータサイエンス学習の一助となれば幸いです。皆さまのキャリアチェンジを心から応援しています。