キャリアチェンジtoデータサイエンティスト

異業種から目指すデータサイエンティスト:学習成果を形にする!初めてのデータ分析プロジェクト実践ガイド

Tags: データ分析, プロジェクト, 未経験, 学習方法, Python, ポートフォリオ

異業種・異職種からデータサイエンティストへのキャリアチェンジを目指し、日々の学習に励まれている皆様、こんにちは。

Pythonや統計学の基礎知識を学び始めたものの、「次に何をすればいいのだろう?」「学んだことをどう活かせばいいのか分からない」と立ち止まってしまうことはありませんか?特に、技術的な実務経験が少ない場合、知識を実際のデータに適用するイメージが掴みにくいかもしれません。

データサイエンティストへの道のりにおいて、学んだ知識を「使えるスキル」に変えるためには、実際にデータを触り、分析してみることが非常に重要です。ここでは、未経験の方が最初に取り組むべき「データ分析プロジェクト」の始め方について、具体的なステップを追って分かりやすく解説します。

なぜ最初のデータ分析プロジェクトが重要なのか

学習の次のステップとしてデータ分析プロジェクトに取り組むことには、いくつかの重要な理由があります。

最初のプロジェクトテーマを選ぶポイント

最初に取り組むプロジェクトは、あまり難しすぎず、かつ自分が興味を持てるテーマを選ぶことが大切です。

おすすめのデータソース例

最初は、クレンジング済みのデータが提供されているKaggleの入門者向けデータセットから始めるのが、スムーズに分析ステップに進めるためおすすめです。

プロジェクトの進め方:具体的なステップ

ここでは、一般的なデータ分析プロジェクトの基本的な流れを、未経験者向けにシンプルに解説します。

ステップ1:プロジェクトの目的を設定する

「このデータを使って何を知りたいのか?」「どんな疑問を解決したいのか?」という目的を明確にすることから始めます。

例えば、公開されているある都市の公共施設利用データを使う場合、「最も利用者が多い施設は何か?」「平日の昼間と休日の利用傾向に違いはあるか?」といった具体的な問いを設定します。目的が明確であれば、その後の分析の方針が定まります。

ステップ2:データを収集する

目的達成に必要なデータを準備します。選んだデータソースからファイルをダウンロードしたり、必要であればExcelなどで手入力してデータセットを作成したりします。最初はCSVファイルやExcelファイル形式のデータを扱うのが一般的です。

ステップ3:データを理解し、前処理を行う

入手したデータは、分析に適した形になっていないことがほとんどです。この「データの理解と前処理」が、データ分析の作業時間の大部分を占めると言われるほど重要です。

Pythonを使う場合、pandasというライブラリがデータ処理に非常に便利です。例えば、CSVファイルを読み込むにはpd.read_csv()、欠損値の数を確認するにはisnull().sum()といった関数を使います。

数学や統計学に苦手意識がある方も、ツールを使えばこれらの処理は実行できます。「この関数はこういう目的で使うのだな」と理解することから始めましょう。

ステップ4:データを探索し、可視化する(EDA)

前処理が終わったデータを使って、データの特徴や傾向を掴むための探索的データ分析(EDA - Exploratory Data Analysis)を行います。

グラフを使ったデータの可視化は、データに隠されたパターンや異常値を直感的に把握するのに役立ちます。Pythonではmatplotlibseabornといったライブラリがよく使われます。Excelでもグラフ機能を使えば基本的な可視化は可能です。

統計学の知識があればより深い洞察を得られますが、最初はグラフを見て「なるほど、こういう傾向があるのか」と気づくことから始めましょう。

ステップ5:分析・モデリング(最初はシンプルに)

目的達成のためにデータを分析します。最初のプロジェクトであれば、高度な機械学習モデル構築よりも、以下のようなシンプルな分析がおすすめです。

「最も売上が高い商品は何か?」「A店舗とB店舗で客単価に違いはあるか?」といった、ステップ1で設定した問いに答えるための分析を行います。

ステップ6:結果を解釈し、まとめる

分析で得られた結果を分かりやすく整理し、結論を導き出します。分析で分かった「事実」が、当初立てた目的や問いに対してどのような答えになっているのかをまとめます。

例えば、「休日は平日に比べて特定の商品の売上が〇%増加する傾向が見られた」といった具体的な発見を記述します。グラフや表を効果的に活用して、第三者が見ても理解できるようにまとめることを意識しましょう。これは、後のポートフォリオ作成にも繋がります。

使うべきツールは?

未経験からデータサイエンスの学習を始めた方には、Python言語とJupyter Notebook(対話的にコードを実行できる環境)の組み合わせがおすすめです。

もちろん、Excelでもある程度の分析は可能です。しかし、データ量が増えたり、より複雑な処理や分析を行う際にはPythonなどのプログラミング言語が必須となります。最初はPythonに慣れる意味でも、Pythonでプロジェクトを進めることをお勧めします。

躓きやすいポイントと乗り越え方

まとめ:最初の一歩を踏み出そう

未経験からデータサイエンティストを目指す上で、最初のデータ分析プロジェクトは、学んだ知識を血肉とし、自信をつけるための貴重な機会です。

完璧な成果を目指す必要はありません。まずは興味のあるテーマで、簡単に入手できるデータを使って、本記事でご紹介したステップを一つずつ進めてみてください。データの前処理で苦労したり、エラーに悩まされたりすることもあるでしょう。しかし、それを乗り越えて分析を進め、データから何らかの「発見」を得られたときの喜びは、きっとあなたのモチベーションを高めてくれるはずです。

この最初のプロジェクトが、あなたのデータサイエンティストへの道を開く、確かな一歩となることを願っています。頑張ってください!