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異業種・異職種からデータサイエンティストへ:プログラミング学習は何から始める?PythonとSQL入門

Tags: プログラミング, Python, SQL, 学習方法, 未経験, データサイエンティスト

異業種・異職種からデータサイエンティストへのキャリアチェンジを目指されている皆様、こんにちは。

データ分析の重要性が日々増す中で、「データサイエンティスト」という職種に注目されている方も多いかと思います。しかし、「技術的なバックグラウンドがない」「プログラミングなんて触ったこともない」といった不安から、最初の一歩を踏み出せずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に、データサイエンスの学習を進める上で避けて通れないのが「プログラミング」です。難しそう、複雑そう、といったイメージをお持ちかもしれません。

この記事では、異業種・異職種からデータサイエンティストを目指す方が、プログラミング学習を始めるにあたって「何から始めれば良いのか」「なぜPythonとSQLなのか」といった疑問を解消し、具体的な学習の糸口を見つけられるよう、平易な言葉で解説いたします。数学や統計学に苦手意識がある方にも分かりやすいように、具体例を交えながら進めてまいります。

データサイエンティストになぜプログラミングが必要なのか

データサイエンティストの主な仕事は、データを集め、分析し、そこからビジネス上の課題を解決するための示唆や知見を導き出すことです。この一連のプロセスを実行するために、プログラミングスキルが必要不可欠となります。

具体的には、

このように、プログラミングはデータサイエンティストの「道具」であり、データを扱うあらゆる場面でその力を発揮します。

最初のプログラミング学習は何から始めるべきか

「プログラミング」と一口に言っても、様々な言語や技術があります。全てを一度に学ぶ必要はありません。データサイエンティストを目指す上で、最初に集中的に学ぶべき主要なプログラミング言語は、主にPythonSQLの2つです。

なぜこの2つなのか、それぞれの役割と合わせて見ていきましょう。

Python:データ分析・機械学習の万能ツール

Pythonは、世界中で最も人気のあるプログラミング言語の一つです。文法が比較的シンプルで読み書きしやすいため、プログラミング初心者にもおすすめです。

データサイエンス分野では、Pythonが非常に広く使われています。その理由は、データ分析や機械学習に特化した「ライブラリ」が豊富に提供されているからです。ライブラリとは、特定の目的のためにあらかじめ作られたプログラムの部品集のようなものです。

これらのライブラリを使うことで、ゼロから全てを自分でコードを書く必要なく、複雑なデータ処理や分析を行うことができます。Pythonは、データ分析だけでなく、Webアプリケーション開発や自動化など、幅広い用途に使える「汎用性」も大きな魅力です。

SQL:データベース操作の標準言語

SQL(Structured Query Language:構造化クエリ言語)は、データベースから必要なデータを取り出したり、更新したりするための言語です。多くの企業では、顧客情報、販売データ、製品データなどがデータベースに格納されています。

データサイエンティストは、分析に必要なデータをデータベースから取得することから始めます。このデータ取得の際にSQLを使います。

SQLは比較的シンプルな構文で構成されており、プログラミング経験がない方でも取り組みやすい言語です。データ分析の入り口として、まずSQLで必要なデータを抽出・加工するスキルは非常に重要になります。

PythonとSQLの具体的な学習ステップ

では、これら2つの言語をどのように学習すれば良いのでしょうか。未経験者の方におすすめの学習ステップをご紹介します。

ステップ1:Pythonの基本を学ぶ

まずはPythonの基本的な文法(変数、データ型、条件分岐、繰り返し処理、関数など)を学びましょう。難しく考える必要はありません。まずは「こういう書き方をすると、コンピューターはこう動くんだな」という感覚を掴むことが重要です。

ステップ2:SQLの基本を学ぶ

Pythonの基本と並行して、あるいは少し進んでから、SQLの学習に取り組みましょう。SQLの基本的な構文(SELECT, FROM, WHERE, GROUP BY, ORDER BYなど)を理解することが目標です。

ステップ3:Pythonでデータ分析の基礎に触れる

PythonとSQLの基本的な書き方が分かってきたら、次にPythonのデータ分析ライブラリ(特にPandas)の使い方を学び始めましょう。実際のデータセットを使って、簡単な分析に挑戦してみます。

数学・統計学への苦手意識とプログラミング学習

「数学や統計学が苦手だから、プログラミングも難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、データサイエンスを深く理解するためには、統計学や線形代数などの知識が必要になる場面があります。

しかし、プログラミング学習の最初の段階では、高度な数学知識は必須ではありません。基本的な四則演算や論理的な考え方ができれば、PythonやSQLの書き方を学ぶことは十分可能です。

そして、プログラミング学習を進める中で、データ集計やグラフ化などを行ううちに、自然と統計的な考え方やデータの扱い方に触れることになります。例えば、「平均値を計算するコード」を書くことで、平均値がどのような意味を持つのかをより具体的に理解できるようになる、といったことがあります。

まずはプログラミング学習から始めてみて、必要に応じて(例えば、機械学習を学び始める際に)関連する数学や統計学の知識を補っていく、という進め方も有効です。苦手意識を持ちすぎず、まずは目の前のプログラミングに集中してみましょう。

学習継続のためのヒント

未経験からのプログラミング学習は、時に難解に感じたり、エラーに躓いて挫折しそうになったりすることもあるかもしれません。そんな時のために、いくつかヒントをお伝えします。

まとめ

異業種・異職種からデータサイエンティストを目指す上で、プログラミングは強力な武器となります。特に、PythonとSQLはデータサイエンス分野で最も広く使われている言語であり、最初の学習対象として非常に適しています。

「プログラミングは難しそう」「自分にできるだろうか」といった不安があるかもしれませんが、ご紹介したように、初心者向けの学習リソースは豊富にあります。まずはPythonの基本文法から触れてみて、次にSQLの基本的なデータベース操作を学ぶ。そしてPythonで簡単なデータ分析に挑戦する、というステップで進めることをお勧めします。

数学や統計学に苦手意識があっても、プログラミング学習自体がデータへの理解を深める助けになることもあります。完璧を目指さず、着実に一歩ずつ進んでいきましょう。

プログラミングスキルは、データサイエンティストとして活躍するための強力な土台となります。この記事が、あなたの学習を始めるきっかけとなれば幸いです。応援しています!